メルボルンに住む3人の高齢女性に,①日常生活,②何に幸福を感じるか,③これまでの人生の3点に関して聞き取り調査を2004年9月におこなった。本稿では聞き取り調査の結果を提示し,それに考察を加えた。考察によって,次の4点を明らかにした。①子ども(夫婦)と頻繁に交際できない高齢女性は,代わりに,友人と頻繁に交際をしていた。そこで,社会関係には代替性があるといえる。② 3人の高齢女性は高い主観的幸福感を持っていた。これは,高齢女性が健康で,豊富な社会関係を保持していたからと考えられる。③大恐慌は,オーストラリア人の家族の生活に大なり小なり影響を及ぼしていた。④第二次世界大戦直後,オーストラリアでは専業主婦が一般的であった。