JaLCDOI 10.18926/66649
FullText URL oupc_020_009.pdf
Author 上地 雄一郎| 小川 紗有美|
Abstract  幼児の親に対する「養育省察機能質問票」(PRFQ)18項目版の日本語版(PRFQJ)が開発された。原版がバック・トランスレーションを通して日本語に訳された。この日本語版に因子分析を行った結果,確信的省察,省察不全,省察的姿勢という3つの因子が抽出された。この3因子に負荷の高い項目から成る下位尺度のα係数は. 80以上であった。この過程で2つの項目がすべての因子に負荷が低いので削除された。この質問票の妥当性確認のために,自己および他者の内面への意識,育児自己効力感,アレキシサイミア傾向との関連を検討した。この質間票で査定される省察機能は育児自己効力感と関連していた。「省察的姿勢」は自己および他者の内面への意識と正の相関を示し,「省察不全」はアレキシサイミア傾向と正の相関を示した。しかし,さらに妥当性の検討を行う必要があると思われる。
Keywords 乳幼児の親 養育省察機能質問票(PRFQ) 日本語版 信頼性 妥当性
Publication Title Bulletin of the Okayama University Psychological Clinic
Published Date 2022-12-25
Volume volume20
Start Page 9
End Page 15
ISSN 2758-6138
language Japanese
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JaLCDOI 10.18926/66631
FullText URL oupc_020_001.pdf
Author 上地 雄一郎|
Abstract  本研究では,マインドフルネスを測定するために開発された「サザンプトン・マインドフルネス質問票Southampton Mindfulness Questionnaire:SMQ」の日本語版(SMQJ)を作成し,初段階の信頼性と妥当性の検討を行った。SMQJを構成する16項目のα係数はα=.73で,まずまずの信頼性が得られた。SMQJと日本語版MAASとの相関係数はr=.27と,有意ではあるが低く,これはMAASが測定する傾向とSMQJが測定するものとの相違による結果だと思われた。SMQJと,Galexで測定されるアレキシサイミアとの相関については,SMQJと「体感・感情の認識不全」がr=.30の有意な相関を示したが,「空想・省察の不全」とは無相関であった。また,SMQJの因子分析の結果,2因子が抽出されたが,この因子分析によってSMQJの項目の1つについて日本語訳を修正する必要性が示唆された。
Keywords サザンプトン・マイドフルネス質問票 日本語版 信頼性 妥当性
Publication Title Bulletin of the Okayama University Psychological Clinic
Published Date 2022-12-25
Volume volume20
Start Page 1
End Page 8
ISSN 2758-6138
language Japanese
File Version publisher
JaLCDOI 10.18926/66628
FullText URL oupc_016_037.pdf
Author 山下 明子| 上地 雄一郎|
Abstract  幼少期に安定した愛着が形成されなかった子どもは,さまざまな心の問題を抱える可能性がある。しかし,児童期の愛着についての知見はまだ浅く,愛着に問題を抱える子どもに対する適切な支援がなされているとは言い難い。そこで本研究では,BowlbyとAinsworthによる愛着の定義にできるだけ忠実に,児童期の安定型,アンビヴァレント型,回避型の愛着パターンを測定する質問紙尺度を作成することを目的とした。中・四国の小学校5校のうち、5~6年生に作成した質問紙を実施した。その結果、安定型、回避型、アンビヴァレント型の3因子が抽出された。その後の検討で、信頼性・妥当性が確認された。また、5つのクラスターからは、「回避ーアンビヴァレント型」の児童のリスクの高さが示された。
Keywords 愛着 質問紙尺度 児童用愛着パターン尺度
Publication Title Bulletin of the Okayama University Psychological Clinic
Published Date 2018-12-25
Volume volume16
Start Page 37
End Page 44
ISSN 2758-6138
language Japanese
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JaLCDOI 10.18926/66627
FullText URL oupc_016_027.pdf
Author 藩 艶麗| 上地 雄一郎|
Abstract 本研究では,メンタライジング能力を測定するために,対人葛藤場面についての「メンタライゼーション査定面接改訂版」 (Mentalization Assessment Interview-the Revised Version; MAI-R) を作成した。MAI-Rは高い内的整合性を有しており,2名の評定者の評定同士も高い相関を示した。また,MAI-Rの妥当性については,MAI-R総得点は,愛着回避とは低い負の相関を示した。そして,MCQ-30によって測定された「心配への注目」および「思考の制御」とは有意な正の相関を示した。共感との関連については,EESRで分類された共感の4タイプの間でMAI-Rの得点に有意差は認められなかった。つまり,MAI-Rは,高い内的整合性および評定者間信頼性を示したが,妥当性が充分に証明されたとは言えない。
Keywords メンタライジング能力 メンタライゼーション 対人葛藤
Publication Title Bulletin of the Okayama University Psychological Clinic
Published Date 2018-12-25
Volume volume16
Start Page 27
End Page 35
ISSN 2758-6138
language Japanese
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JaLCDOI 10.18926/66626
FullText URL oupc_016_009.pdf
Author 井上 亜希| 上地 雄一郎|
Abstract  本研究では,メンタライジング能力を簡便に測定するメンタライジング能力尺度を作成した。因子分析の結果,5因子27項目が抽出された。第5因子に負荷する項目群を除いて一応の内的整合性があることが確認された。因子ごとに不統ーな結果も見られ,下位尺度ごとに得点の高低の意味が異なり,ポジティブな意味とネガティブな意味の両方をもっていると思われる下位尺度もみられた。下位尺度のα係数が第1因子を除いて.80に達しておらず,第5因子は.62であることから,項目内容を再検討し,項目数を増やすことも必要であろう。さらに,回答方法を変更することも検討課題である。一部使用した尺度において明確な関連がみられなかったこともあり,新たな尺度や他の尺度との関連から妥当性を検討することも必要であると考えられた。
Keywords メンタライジング メンタライゼーション 質間紙尺度 愛着
Publication Title Bulletin of the Okayama University Psychological Clinic
Published Date 2018-12-25
Volume volume16
Start Page 9
End Page 16
ISSN 2758-6138
language Japanese
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JaLCDOI 10.18926/66621
FullText URL oupc_014_037.pdf
Author 谷口 純代| 上地 雄一郎|
Abstract 本研究では,抑うつに焦点を合わせたメタ認知を測定するためのメタ認知的自覚質問票を作成した。主成分分析の結果,先行研究である, Teasdale et al. (1995) のMetacognitive Awareness Questionnaire (MAQ) 同様,単主成分が抽出され,単主成分構造が妥当であると判断された。Cronbachのα係数を算出したところa=.72であった。また,各尺度間における相関係数を算出した結果,Metacognitive Questionnaire (MCQ) における「心配の制御不能性と危機に関するネガティブな信念」「心配についてのポジティブな信念」,「認知的自信の低さ」及び「思考制御の必要性」との間に正の相関,FFMQにおける「Nonjudging」と「Nonreacting」との間に負の相関がみられた。以上のことから,メタ認知的自覚質問票におけるある一定の信頼性及び妥当性が確認された。
Keywords メタ認知 メタ認知的自覚
Publication Title Bulletin of the Counseling Clinic, Okayama University
Published Date 2016-12-25
Volume volume14
Start Page 37
End Page 46
ISSN 2185-5129
language Japanese
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JaLCDOI 10.18926/66616
FullText URL oupc_013_013.pdf
Author 上地 雄一郎| 牧野 史奈| 山下 明子| 神谷 真由美|
Abstract  青年・成人の愛着を測定するわが国の質問紙尺度には,大別して,(1) 安定型,回避型,アンビヴァレント型の愛着を測定する尺度,および,(2)(見捨てられ)不安と(親密性)回避を軸として4つの傾向に分ける尺度が存在する。しかし,(1) の3類型尺度には,Bowlby-Ainsworthによる愛着の定義とかけ離れた項目がみられ,(2) の4類型尺度については,不安と回避を軸にして4つの傾向を分ける視点が適切かどうか疑問が残る。本研究では,Bowlby-Ainsworthモデルにおける愛着の定義にできるだけ忠実に項目を作成し,安定型,回避型,アンビヴァレント型の愛着パターンを測定する青年・成人用の尺度を作成し,信頼性と妥当性の検討を行った。作成された「愛着パターン尺度」の因子的妥当性およびα係数は高く,「甘え」および「孤独感」との関連から,ある程度の妥当性が確認された。
Keywords 愛着 質問紙尺度 愛着パターン尺度
Publication Title Bulletin of the Counseling Clinic, Okayama University
Published Date 2015-12-25
Volume volume13
Start Page 13
End Page 22
ISSN 2185-5129
language Japanese
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JaLCDOI 10.18926/66604
FullText URL oupc_008_009.pdf
Author 上地 雄一郎|
Abstract  Kohut (1977) が行ったエディプス・コンプレックス論の修正について紹介し,父親の肯定的役割に注目することの意義を述べた。次に,Kohut (1977) と類似の見解であるAbelin (1971,1975),Blos (1985), 牛島・福井 (1980) の見解を紹介し,これらの見解を,①子どもを去勢する父親(古典的精神分析の視点),②子どもの男性性または女性性を強化する父親,③母親からの分離-個体化を促進する父親,④母親の失敗を代償する父親という四つの視点(モデル)として整理した。次に,Kohut (1979) の『Z氏の事例』を上記の観点から再分析した結果,Z氏の回復過程には②③④の視点がすべて適用できること,また,③の視点は②の視点と表裏の関係にあることを,筆者の見解として述べた。
Keywords エディプス・コンプレックス 父親の役割モデル Z氏の事例
Publication Title Bulletin of Shinri-Kyouiku Counseling Clinic at Okayama University
Published Date 2010-02-15
Volume volume8
Start Page 9
End Page 26
ISSN 2185-5129
language Japanese
File Version publisher
JaLCDOI 10.18926/66600
FullText URL oupc_007_011.pdf
Author 上地 雄一郎|
Abstract  セラピストの共感不全による面接関係の危機に対する対応のガイドラインを提唱した。まず,共感不全およびそれへの対応の意義について自己心理学的視点から論じた。次に,共感不全の指標およびそれへの対応のガイドラインを提唱した。共感不全は不可避なのであり,対応によっては面接関係に有意義な効果をもたらす。クライエントの反応から共感不全に気づき,両者の関連について問いかけ,クライエントの失望や不満を共感的に理解することが必要である。また,両者の体験のずれを問題にする際には,対等性・相互性のスタンスを維持することが重要である。
Keywords 共感不全 ガイドライン 自己心理学
Publication Title Bulletin of Shinri-Kyouiku Counseling Clinic at Okayama University
Published Date 2009-03-15
Volume volume7
Start Page 11
End Page 20
ISSN 2185-5129
language Japanese
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JaLCDOI 10.18926/bgeou/16104
Title Alternative A Critical Evaluation of Kohut's Theory of Narcissistic Personality Disiorder
FullText URL 141_143_152.pdf
Author Kamiji, Yuichiro|
Abstract 自己愛性パーソナリティ障害に関するKohutの見解を,彼と対立した Kernbergの見解,DSM-Ⅳの診断基準,自己愛性パーソナリティ障害の二類型論などと関連させて論じた。その結果,Kohutの言う自己愛性パーソナリティ障害を「自己愛の障害のある患者」と呼び換え,DSM-Ⅳによって診断されるそれとは区別したほうがよいという丸田(1995)の見解が妥当であることを主張した。自己愛性パーソナリティ障害に関するKohutの見解の問題点として,まず,Kohutが誇大自己と呼んだ自己発揚的傾向と,防衛的誇大性とは区別すべきであることを指摘した。次に,自己愛性パーソナリティには理想自己と現実自己の乖離がみられるというBroucek (1982,1991)や岡野(1998)の見解と,自己愛性パーソナリティは高い理想を持つ人ではないというKohut(1971)の見解のずれについて,これは理想についての両者の理解のずれから生じているのではないかということを示唆した。
Publication Title 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
Published Date 2009-06-25
Volume volume141
Start Page 143
End Page 152
ISSN 1883-2423
language Japanese
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NAID 120002306254
JaLCDOI 10.18926/bgeou/15014
Title Alternative An Evaluative Study of the Narcissistic Vulnerability Scale
FullText URL 140_001_006.pdf
Author Kamiji, Yuichiro| Miyashita, Kazuhiro|
Abstract 自己愛的な傷つきやすさを測定するために筆者らが作成した自己愛的脆弱性尺度(NVS)短縮版の妥当性を検討した。具体的には,NVS以外に,他の自己愛尺度である自己愛人格目録(NPI)も併用して,自己愛の誇大的・顕示的側面と過敏・脆弱な側面が友人関係にどのように影響するかを検討した。友人関係としては,自己隠蔽,被愛願望,気遣い,対立不安の4つの側面を取り上げた。その結果,NVSとNPIの下位尺度では友人関係への影響が異なる点が見出され,NVSの有用性が確認された。また,NPIの3下位尺度のうち,注目・賞賛 欲求と他の2下位尺度は性格を異にする尺度であるという示唆も得られた。
Keywords 自己愛的脆弱性尺度 妥当性 友人関係
Publication Title 岡山大学大学院教育学研究科研究集録
Published Date 2009-02-25
Volume volume140
Start Page 1
End Page 6
ISSN 1883-2423
language Japanese
File Version publisher
NAID 120002307364