ニワトリにおける緑葉カロテノイドの吸収と体組織分布について部分的に明らかにするとともに,とくに卵黄へのルテインの集中選択的蓄積に関する知見を得た. 投与した緑葉カロテノイド各々のみかけ吸収率は50~65%とカロテノイドによる差は認められないが,卵黄への蓄積量及び蓄積率はキサントフィルが高く,なかでもルテインはそのみかけ吸収量の25%が卵黄に蓄積している.これに対し,β-カロチンはみかけ吸収量のわずか0.6%しか蓄積せず,卵黄全カロテノイドに占める割合もルテインの約85%に対し1%である. 3日間の短期投与による緑葉カロテノイドの肝,卵巣,血液への正味蓄積量において,ルテインは肝よりも卵巣に6倍以上の速度で蓄積するのに対し,他のキサントフィル及びβ-カロテンは肝に多く蓄積する傾向がある.このことは緑葉カロテノイドのうちルテインがとくに卵黄に蓄積しやすいことを示すものである。