前報の岡山県で生産された原料乳の成分的乳質の調査に引きつづき,今回はその細菌学的乳質を調査した. その結果次のような結論を得た. 1)原料乳の細菌学的乳質は,夏季の乳温の上昇とともに低下した. また乳温は細菌数のみならず細菌叢にも影響するものと思われる. 2)細菌数の地域的な差違はほとんど認められなかった. 3)総菌数,生菌数,低温細菌数および耐熱性細菌数の平均値はそれぞれ4.7×106/ml,1.1×106/ml,5.6×104/mlおよび2.7×104/mlであった. 4)63℃,30分,85℃,20分および100℃,10分の加熱処理乳より耐熱性細菌を分離し,その分離菌株の耐熱性を再試験した. それらの分離菌株の中には63℃,30分あるいは85℃,20分の加熱処理に生存するものがあった。