Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

サイレージの品質と飼料価値に関する研究 (第1報)サイレージの発酵的品質がヒツジの第一胃内醗酵に及ぼす影響

Uchida, Senji
Abstract
サイレージの発酵的品質と飼料価値との関係を知るための研究の一環として,発酵的品質と,それを給与された家畜の第一胃内発酵との関係を検討した. 一番草のイタリアンライグラスを出穂初期に収穫し,日乾によって水分調節したのち2.5cmに細切して埋蔵し,品質の異なる3区のサイレージを調製した. 第一胃フィスチュラを装着した去勢ヒツジ3頭を供用し,でき上りサイレージの飼養試験を3×3ラテン方格法の設計により,サイレージ単一給与により実施した. 各期試験の15日目の第一胃液を,飼料給与後,1,2,4および6時間目にフィスチュラを通じて採取し,そのpH価およびVFA濃度を調査した. 結果の要約は次のようである. (1)供試サイレージのpH価および評点は,A区:4.41および80点(良),B区:4.78および58点(可),C区:4.81および10点(下)であった. そして,それぞれのサイレージのVFAはその発酵的品質に応じて異なった分布を示した. (2)ヒツジ第一胃液のpH価は,A,B両区に比べて総体的にC区サイレージ給与の場合に高く,給与後1時間および6時間目の値で,A,B両区とC区間に有意差が認められた. (3)ヒツジ第一胃液のVFAの調査結果より,総VFAに対する酢酸の比率は総体的にA区で高く,C区で最も低く,B区では中間の値を示した. そして,給与後4時間までの値で,A区とC区間に有意差が認められた. いっぽう,n-酪酸の比率は総体的にC区が高く,B区がこれにつぎ,A区が低い値を示し,給与後4時間までのC区とA,B両区間に有意差が認められた. さらに,プロピオン酸およびiso-酪酸の比率は給与後1時間目においてのみ有意差が認められ,B区が高く,A区そしてC区の順序となった. これらの諸結果は,給与されるサイレージの発酵的品質が摂取した家畜の第一胃内発酵に,かなり影響するものであることを示していると思われる。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029