Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

Studies on the Chemical Composition and Quality of Silage : XIV. The Influence of Wilting of Grass on the Feeding value of Silage

Uchida, Senji
Sutoh, Hiroshi
Published Date
1977
Abstract
本実験は,サイレージの発酵的品質と飼料価値との関係を知るための研究の一環として計画したものである. 2番草のイタリアンライグラスを伸長期に破砕しながら収穫し,日乾法によって材科草の乾物を21.7%(DM20区),39.9%(DM40区),60.3%(DM60区)に調節して,それぞれ実験用サイロに埋蔵してサイレージを調製した. なお,DM60区は気密条件で調製した. でき上りサイレージについてヒツジによる消化試験を実施し飼料価値を求めた. 実験結果の要約は次のようである. 1)でき上りサイレージのpH価は,DM20区:3.80,DM40区:4.02,DM60区:4.25であり,評点は,DM20区:90点,DM40区およびDM60区:100点であり,アンモニア態窒素比率は,それぞれ,5.79,5.12,3.72で低い値であった. すなわち,乾物含量の異なる材料からほば近い発酵的品質のサイレージが調製された. 2)ヒツジによる消化試験の結果,粗タンパク質の消化率は日乾の程度の低い区ほど高く,NFEの消化率は日乾の程度の高い区ほど高くなる傾向が認められた. 乾物中のTDNも日乾の程度の高い区ほどわずかに高くなる傾向がうかがえた. しかし,分散分析の結果,各区の各成分の消化率およびDCP,TDN含量間に有意差は認められなかった. 3)本実験の結果などから,日乾の効果は主として発酵的品質の改善を通じて発現されるものであることが推測された。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029