窒素肥料の多用が草類茎葉中の窒素の各溶性区分とその消化性に及ぼす影響について,主としてイタリアンライグラス乾草を用いて検討した. 得られた結果を要約すると次のとおりである. 1)イタリアンライグラス乾草の各溶性区分別窒桑の中で熱アルカリ性アルコール溶性窒素の消化率が最もよい. 2)供試乾草の窒素中熱アルカリ性アルコール溶性窒素の割合が最も多く,その割合は窒索肥料の多用によってさらに高められた. 3)熱アルカリ性アルコール溶性窒素含量と粗蛋自質消化率の間に高い正の相関関係の間に高い正の相関関係(r=0.767, P<0.01)が得られた. 4)窒素多用による草類粗蛋白質消化率の向上は,消化性のよい熱アルカリ性アルコール溶性窒素が茎葉中に増加することと深い関係がある。