Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

Studies on the Ecology on Insects Sterilized Artifically(Gamma Radiation) : VII.Influence of Gamma Rays Radiation from 137Cs on the Oriental Fruit Fly in Amami-Oshima Island

Kiyoku, Masao
Tsukuda, Ritsuko
Published Date
1974
Abstract
奄美大島産ミカンコミバエ蛹を岡山で羽化させ,トウモロコシ粉を主体とする半合成飼料を用いて飼育し,蛹化2日前の蛹へ137Csガンマー線を4,6,8KR照射して各種の実験を行なった. (1)4,6,8KRを照射した蛹は,正常のものと大差なく高い羽化率を示し,奇型の出現も少ない. (2)羽化2日前の蛹へ8KRを照射すると雄・雌成虫とも完全不妊となる. しかし,それらは正常雄・雌より生存日数がやや短かい傾向を示す. (3)10個の正常雌に対して正常雄10個とその20倍の8KR不妊化雄200個を組み合わせるとほとんど完全な不妊効果が示される. 15倍の150個以下では若干の孵化幼虫が発育して次代の成虫となる. (4)上記雄・雌成虫は正常の雌・雄と組み合わされたとき,比較的高い不妊を示す. (5)生存日数がやや短かいという欠点を補正するために,6KR不妊化雄をつくると,もちろん完全不妊ではない. また次代に発育ができた成虫も不妊性があまり期待できない. しかし6KR不妊化雄を正常雄の20倍,すなわち200個以上組み入れると比較的に高い不妊が得られる. (6)我が国における他の研究と比較して,X線,60Coおよび137Csガンマー線は実用的には大体おなじ線盤8KRでミカンコミバエを完全不妊にできることがわかった. (7)なお解剖観察によって8KR不妊化雄の不妊原因は精巣そのもの,精子の雌への移動,精子の活動力などの異常によるよりも優性致死変異に起因するものと推察された。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029