Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

Studies on Artificial Pregnancy in Rat : 1. Survival of Ova Transferred into the Uterus of Rat

Yuhara, Masataka
Utsumi, Kyozo
Nogami, Yoshiro
Sakamoto, Toshifumi
Okuyama, Hiroshi
Published Date
1973
Abstract
子宮内に移植したラット受精卵の生存性を知るためにこの研究を行なった. donorおよびrecipientには体重200~240gのWister系の雌ラットを用い,膣栓を確認した日を妊娠または偽妊娠第1日とし,卵の培養および移植条件を確かめるために3日の4細胞卵を同期化したrecipientの子宮に移植した. 40時問の子宮生体培養の後に卵を回収し,卵の分割状態を観察した結果,供試ラットのすべてに正常な分割卵が認められた. 卵の灌流および培養液として生理食塩水:ラット不活血清(2:1)を用いた. 妊娠5日目の受精卵を採取後30℃で2時間培養した後に同期化した偽妊娠ラットの子宮内に移植した. recipientは妊娠16日目に開腹して胎児の発育状態とその数などを観察したが胎児の生存率は3.8%にすぎなかった. 次に,採卵後移植までの時間を20分以内とし,子宮に注入する液量を考慮して5日目卵を同期化した子宮に移植した. この場合には着床率は80%であり,移植卵に対する胎児の生存率は46%であった. この結果から卵採取後移植までの培養時間と注入液量が高い受胎率を得るための最も基本的な条件であることが推論された。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029