Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

トラクタ走行がモグラ暗渠に及ぼす影響について 児島湾干拓地水田土壌の物理,力学特性に関する研究(第2報)

Kobashi, Hideo
Nagahori, Kinzo
Ogino, Yoshihiko
Abstract
干拓地水田土壌に施工したモグラ暗渠は機械を導入することによってモグラの機能が阻害され,排水不良になるのでどのような機種が何回走行した場合にどの程度モグラ暗渠の渠孔に影響を及ぼすか,その実態を明らかにするためにまずFordson DEXTAを選定し,モグラ暗渠直上を種々の回数に走回させたその結果,次のような事柄を明らかにすることができた. 調査したモグラ暗渠は地表面下35cmの所に方金工しており,自然状態のモグラ渠孔断面は63.62cm2(約9cm径の渠孔)のものがトラクタ1回の走行で97%つぶされ,3回の走行で完全に渠孔は破壊されてしまうことが明らかとなった. 一方,一軸圧縮強度試験においては,表土については走行回数が2回で未攪乱土のquは0.71kg/cm2,3回で0.65kg/cm2,4回で0.54kg/cm2であった. また攪乱すると強度は低下し,2回で0.19kg/cm2,3回で0.22kg/cm2,4回で0.20kg/cm2であった. 一方,心土については1回走行で未攪乱土が0.4kg/cm2,攪乱土で0.05kg/cm2,2回走行で未攪乱土0.28kg/cm2,攪乱土が0.06kg/cm2,3回走行では,未攪乱土0.27kg/cm2のものが攪乱すると軟化が著しくテストすることができなかった. また鋭敏比を検討すると心土については走行回数3回目で∞となっていることから,トラクタが3回走行すればこの干拓地の心士地表面下35cmの所は極めて軟化が著しく生じることとなり,モグラがつぶれることが力学的試験によっても実証されたものと考える. 以上によって本研究においてはDEXTAの走行回数とモグラ暗渠孔の断面変形の状況を明らかにしたが,その結果からモグラの施工位置は浅くても軟化の小さい土の強度が大きい層にもっていくことが指摘されるが,これについては今後,種々な深さにモグラ暗渠を施工して,どの深さに施工するのが最も有効であるか,走行試験と排水試験を併行しながら実証したいと考えている. おわりにのぞみ,本調査研究にあたり,現地では三宅助手に多大の御配慮と御援助をいただいた. 記して深甚の謝意を表する。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029