Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

The Effects of the Temperature and the Spraying or Soaking of Plant Growth Regulators on the Flowering of Morning Glory(Scarlet O'hara) : I. The Relation between the Growing Temperature in Winter and Summer and the Flowering in a Phytotron II. Effects of NAA, Gibberellin and 2, 4-D Solution on the Flowering

Yasuda, Isao
Yasui, Koichi
Published Date
1966
Abstract
朝顔の開花や結実を可能にする温度の限界はどの程度であるかを知るため,1965年の1月から3月までと,同年の9月から10月までの2回にわたり,ファイトトロンを用いて実験を行なった.ファイトトロン内の温度は,20℃,15℃,10℃の3段階とし,1区当りの供試個体は冬の実験では6針ずつ,夏は10針ずつとした.ただし,冬の実験の10℃区のみは小温室を用いた.一方,開花前日の蕾にNAA,ジベレリン,2,4-Dのような植物生長物質の溶液を散布または浸漬せしめて,これらが開花にどのような影響を与えるかを検してみた.得た結果を報告すると次のとうりである.(1)第1回の冬の実験において,20℃,15℃,10℃3区の開花数,花径はいずれも20℃>15℃>10℃というように温度の高いほど大となっているが,草丈の伸びについては15℃が最低で,20℃と10℃区とはともにかなり伸長した.10℃区の草丈が高かったのは積算温度の効果のためと思われる.(2)ところが,第2回の夏から秋にかけての実験結果では,草丈や開花数は,20℃>戸外>15℃>10℃となり,10℃区は実験終了までに全部枯死してしまった.20℃>戸外となったのは,10月上旬以降の戸外の温度が最低10℃以下となったためであろう.ただし,節数は,20℃>15℃>戸外区となり節数の減少が低温と平行していたことを示している.(3)結実に必要な栽培温度は15℃~10℃が限度のようである.(4)冬,夏いずれの実験においても,ファイトトロンの20℃と15℃に保たれた花蕾に前夜電照を加えると,20℃区にくらベ15℃区のほうは不開花が少なく完開花や半開花が多かった.(5)開花前日の花蕾にNAA,ジベレリン,2,4-Dの溶液を散布または浸漬せしめた結果は次のとうりで,2,4-Dがもっとも開花抑制力を有し,NAAがこれにつぐが,ジベレリンはあまり影響がなかった.(a)NAAの散布および浸漬区では100ppm区は全く影響力がないが,200ppm区では半開や不開花を生じ,500ppmになるとさらに不開花を多くした.(b)ジベレリン散布および浸漬区はNAAより影響力が小さく,100及び200ppmでは全く開花をさまたげなかった.しかし,500ppmになると,わずかに開花に影響した.(c)2,4-Dの散布および浸漬区では,わずか1ppmの濃度でも開花を抑え,半開花や不開花を生ぜしめた。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029