Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

Studies on the Effect of Calcium on Chestnut. : I. On the Telerance for Calcium in Water Culture. (1)

Honda, N.
Hayashi, K.
Okazaki, M.
Ishihara, S.
Published Date
1952
Abstract
(1)栗の石灰抵抗性を検する為にN,P,K,Mg及Fe各々を35,23,29,20及5ppmを含む培養液にCaOl2にてCaを0,25,100,400,800,1600ppm礫耕のみを加へたものを用ひて礫耕及水耕栽培を行つた.(2)主として花崗岩よりなる礫を用ひた礫耕に於てI区(pH4.0-5.0),II区(pH5.5-6.0)III区(pH6.8-7.0)の各々につき石灰濃度1-5区(即ち0,25,100,400,1600ppm)とを組合せた15の区を設けて栗を栽培したところ次の傾向を認めた.(a)栗の生育はI>II>III区の順に良好である.(b)石灰の高濃度に堪へる程度もI>II>III区の順に大である.(C)82日間の栽培にて培養液中にCa0ppmにても正常な生育を認めた.(3)水耕栽増にて栗,桃及梨の実生を72日間,又少し後れて夏橙及柿を夫々81日及51日間栽培した.是等の試験にては培養液のpH値は5.5とし,Ca濃度はI,II,III,IV区各々25, 100,400,800ppmとした.栗の生育はI,II両区の間に統計的に差が認められなかつたが,IV区及III区の栗は実験開始後各々5及7週間後殆ど枯死した.CaCl2を用ひた培養液に於ける石灰抵抗性は栗<桃<夏橙<梨<柿の順に大である. (4)CaCl2を用ひたCa400ppmを含む培養液中にはCl 708ppmが附随する.この為に栗の葉にClによる被害を生じたことを確認した.夏橙及桃もClに対して抵抗性が小であることを推定出来る.(5)栗な極めて軽度の所謂石灰嫌忌性を有するものと思はれる.栗の石灰嫌忌性に就て二三考察するところがあつた。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029