本稿の目的は、①日本主要港の相対的地位の低下は北東アジアにおける港湾の空間的配置のあり方に大きく影響されていることを明らかにすること、②一般に言われている「日本の主要港の国際競争低下」問題は神戸港低迷問題に典型的に現れていることを港湾配置の側面に限定して確認すること、③「日本の主要港の国際競争力」回復を企図した「スーパー中枢港湾」政策は港湾配置の視点が必要不可欠であり、もしも日本に「競争力」のある主要港を再生させようとするならば、あるいはその必要があるとするならば、「スーパー中枢港湾」は、配置面から見て最も「競争力低下」が著しい大阪湾域に1港選定することが妥当であることを示すことである。