Studies in Cultural Symbiotics
Published by Graduate School of Humanities and Social Sciences, Okayama University

Sakuma Shozan and Wei Yuan

Published Date
2007-03-31
Abstract
本稿の目的は、魏源『聖武記』と佐久間象山「海防に関する藩主宛上書」とを比較検討し、象山の言う「約せずして同じき」議論とは具体的に何かについて考察することである。 『聖武記』の版本について言及しておく。佐久間象山が読んだ『聖武記』は、「その書の序は、またこの歳の七月に作られたれば」とあることから、道光二十二年序刊の古微堂刊本であることがわかる。『聖武記』は続けて道光二十四年に重訂本、道光二十六年に三次重訂本が出された。道光二十四年本には、巻四、巻六、巻七、巻十に加筆があり、巻五と巻六の記述に変更が加えられている。道光二十六年本は、付録部分において更に変更と加筆が見られ、新たに姚瑩『康紀行』の一段落が付け加えられた。但し、「武事余記」に関しては、三つの版本に内容上大きな差はないという(6)。本稿では、道光二十二年本をもとに、興亜院政務部による和訳本(1943年刊、道光二十六年本に依拠している)を参考にした。
ISSN
1880-9162
NCID
AA11823043
NAID
JaLCDOI