1986年4月から1990年2月末までの間に岡山大学医学部附属病院三朝分院で経験した早期大腸癌を含む大腸ポリープ90例(107病変)を対象に,年齢,臨床症状,便潜血反応,病変存在部位について検討を行い,以下の成績を得た。(1)大腸検査総数の22.4%にポリープが発見された。ポリープの77%は腺腫,5%は腺癌(早期癌)であった。(2)便潜血反応はポリープ例の75.9%に陽性であり,右側大腸ポリープでの陽性率は高かったが,S状結腸および直腸ポリープでは70%程度であった。(3)若年者では右側結腸にポリープが発見されることは稀であるが,50才以上では18%程度に認められた。高齢者では右側結腸も内視鏡で検査することが重要である。(4)免疫学的便潜血検査法の導入により大腸ポリープの発見効率が改善するものと考え
られた。
大腸ポリープ (Polyp of the colon)
大腸早期癌 (Early cancer of the colon)