全身性エリエマトーデス(SLE)の肺病変についてはRakov&Taylorらの報告(1))以来,多くの報告がある(2)3)).1971年にARAの診断基準が発表されて以来,SLEの診断はほぼ世界的に統一された.それ以前のSLEの肺病変の報告,集計はSLEの診断基準が少しあいまいであり,これらの報告をもって今日論ずることはやや難があると考えられる.またSLEの治療が副腎皮質ステロイド剤によって画期的に進歩した今日,もう一度SLEの肺病変について検討を加えることは,充分に意義のあることと考えられる.本論文では, SLEの肺病変を胸部レントゲン的にとらえた上に,種々の臨床的検討を加えた.