Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

岡山県の都市部・農村部における高齢者の在宅ケアの実態

Ohta, Niwa
Abstract
高齢者の在宅ケアの必要性が増大している一方,女性の就労者の増加や核家族化は在宅でのケアを困難にしている。そこで,実際にどのような現状や問題があるのかを検討する必要があると考えた。今回,全国の高齢化率(14.1%)より高い高齢化率(16.9%)の岡山県で,在宅ケアの実態を1995年8月から9月にかけて調査した。都市部(岡山市)・農村部(高梁市・邑久町・久米南町)で比較すると,在宅ケアは都市部に比べ農村部が少なく,農村部では施設での介護の方が多いことを認めた。分析対象は140名で都市部が39名,農村部が101名である。在宅でケアを受ける75歳以上の高齢者は77.1%と多かった。農村部の方が高年齢で障害度も重く,特に過疎地域では介護期間も長く5年以上が過半数を占めていた。主たる介護者は都市部では配偶者が63%と多かった。過疎の農村部では息子の妻および孫の妻が多く,また70歳以上の高齢の介護者が3分の1を占めていた。入浴・更衣回数などのケア回数は県北の農村部では特に少なかった。また家族の介護時間は都市部は1日につき約7時間であったが,農村部では約3時間のみであった。保健婦・看護婦などの専門職者によるサービスは都市部に多く,ホームヘルパーによるサービスは農村部に多かった。民間のサービス利用率は都市部・農村部いづれも低かった。以上のごとく農村部における高齢者の介護がより問題が多く,深刻な状況であることが明らかになった。
Keywords
高齢者 (the elderly)
在宅ケア (home care)
都市部 (urban area)
農村部 (rural area)
岡山県 (Okayama prefecture)
ISSN
0917-4494
NCID
AN10355371