Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

A大学病院精神科において90日以上入院している患者の傾向 ―診療記録および看護記録に基づく分析―

Watanabe, Kumi
Ito, Miki
Kunikata, Hiroko
Yamamoto, Reiko
Kimura, Yukiko
Arimura, Eriko
Takeda, Shizue
Takeoka, Chiharu
Umezu, Nobuko
Abstract
本研究は,A大学病院精神科に長期入院(90日以上)をしている患者に着目し,年齢や疾患名の傾向などの特徴を明らかにするとともに,これらの実態に照らした看護アプローチのあり方について検討することを目的とした。対象は,2004年1月1日から12月31日までに入院した延べ229人のうち,90日以上入院した延べ56人である。診療記録等から在院日数,年齢,性別,疾患名のリストを作成し,傾向を分析した。90日以上の長期入院患者の平均在院日数は175.1±79.7日であり,年齢層は思春期から40歳台の壮年期までで全体の約7割を占めた。性別は男性16人,女性40人で,疾患名別では,統合失調症9人(16.1%),うつ病12人(21.4%),摂食障害16人(28.6%),適応障害5人(8.9%),躁うつ病4人(7.1%),強迫性障害1人(1.8%),身体表現性障害1人(1.8%),その他8人(14.3%)であった。疾患名別の平均在院日数は,摂食障害が214.1日,適応障害が199.6日,統合失調症が180.2日であり,躁うつ病が175.3日であった。年齢,疾患名,性別による在院日数の差は有意でなかった。 摂食障害に代表されるように身体機能の回復に数か月の医学的アプローチが必要な疾患はあるが,これらの中には患者自身の課題解決にむけた支援や家族支援など,保健福祉的アプローチも必要であると思われ,今後,これら事例の経過を質的に分析し,在院日数を長期化させている要因を明らかにする必要がある。
Keywords
在院日数 (length of hospitalization)
入院治療 (treatment at hospital)
精神科病棟 (psychiatric care unit)
長期入院 (long-term hospitalization)
ISSN
1345-0948
NCID
AA11403004