地域で生活する高齢者・障害者にとって,住宅環境の整備は必須の要件である。津山市では在宅生活を支援する立場にある保健婦やホームヘルパー,作業療法士等保健・福祉関係者と,建築関係者が共同で支援チームをつくり住宅改造に関わってきた。本研究では,この支援チームが関わった事例と直接関わらないで当事者と業者のみで改造を実施した事例を比較し,支援チームが関わることの効果をみた。調査方法は,各事例の家庭を訪問して面接聞き取り調査を行った。調査内容は調査票を用いて改造箇所,生活空間,介護量,外出の状況について尋ねた。改造前後の変化を比較して,支援チームの効果について以下のことが明らかになった。 1.支援チームの関与による浴室の改造は,入浴が可能となり生活空間が広がるなど改善が認められた。 2.離床を目的にした玄関・廊下・居室の改造は,外出などの日常生活行動を広げ,本人のQOLを高めることに役立つ。以上より住宅の改造が,介護者の介護負担を必ずしも直接軽減するとは限らないが,高齢者・障害者の介護の質に変化を与えることが示唆された。
高齢者・障害者 (aged and handicapped person)
住宅改造 (house remodeling)
支援チーム (support team)