Bulletin of Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School
Published by Faculty of Health Sciences Okayama University Medical School

<Formerly known as>
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (1巻-9巻)

Stress coping pattern among pre-operative patients and relations to their background

Mizuhara, Midori
Watanabe, Kumi
Mochida, Sachiko
Ozaki, Yasuko
Okamura, Kyouko
Nishimura, Misae
Yoshizawa, Kiou
Takashima, Miyabi
Yamada, Kazuaki
Published Date
2001-03-24
Abstract
術前訪問のストレス状態を軽減するための一手段として,手術室の看護者により術前訪問が行われている。患者自身のストレスの状態とその対処法が異なっていることは従来の研究より明らかであるが,このような個々の術前患者の対処状況に応じた術前訪問については,充分に行えていないのが現状である。患者のストレス状態は患者背景と関係しており,さらにはその対処行為をパターン化できるものと考え,この対処行為のパターンと,背景因子との関わりを明らかにし,それらを考慮した術前訪問のあり方を考えることを目的として本研究を行った。対象は1週間以内に手術予定の患者20名とした。データは面接による半構成的な質問に対する対象者の自由な回答を記録して収集した。質問内容は,1.対象者の背景要因としての「経験」「自己認知」「環境要因」2.対象者の心理状態・ストレス認知・対処について,「病気を発見した時」、「入院の必要性の説明を受けた時」「手術の必要性の説明を受けた時」「現在」の4つの時点についての心理状態,ストレスの認知,対処法について回想法によるものとした。対象者は男性11名,女性9名で,平均年齢は57.7±15.9歳であった。各事例における4時点での対処行為をパターン化したところ,A :「積極的対処」B:「回避」C:「おまかせ」D:「積極的対処」→「おまかせ」E:「回避」→「積極的対処」F:「回避」→「積極的対処」→「おまかせ」G:「回避」→「おまかせ」の7パターンに分類された。患者背景要因と対処法の関係については,次の2点が明らかとなった。1)ストレス対処に「問題状況の再認知」または「おまかせ」を用いていた患者は,癌告知を受けており,ストレス状態の軽減傾向が特徴的であった。それに対して,「回避」を主に用いていた患者は,未告知事例や疾患について曖昧な解釈の事例が集中しており,ストレス状態が特徴的であった。2)性格を「神経質」「辛抱強い」と自己評価した患者の対処行為として,「積極的対処」が共通して用いられていた。
Keywords
対処 (coping)
手術 (operation)
術前 (preoperation)
患者 (patient)
ストレス対処パターン (stress coping pattern)
ISSN
1345-0948
NCID
AA11403004
NAID
JaLCDOI