本稿は中級後半および上級前半の日本語学習者を対象とした文化クラスでの実践報告である。日本刀,ジーンズ・学生服などの繊維産業,団扇と扇子,麺文化の比較と伝統製法のそうめん,B級グルメと地域の農産物・海産物,といった地域の文化・産業に根差したトピックをとりあげた。このクラスの特徴は,留学生だけでなく,副専攻日本語教育コースの学生と国際交流に興味を持つ日本人学生がボランティアとして授業に参加している点にある。協働学習およびプロジェクトワークが留学生にどのような刺激を与えたか,このような形式のクラスを運営する上での課題は何かをアンケート調査から明らかにする。