「日本事情」は1992 年度後期に国費留学生のための日本語研修コース(大学院予備教育
課程)科目の一つとして開設され、1999 年度末までは日本語研修生にのみ受講資格が認めら
れていた。2000 年度には日研生及び日韓予備教育学生に、2005 年度には交換留学生にも受
講資格が認められた。その後、学内外の留学生受入れ状況の変化に伴い、日本語研修コース
科目であった「日本事情」は2011 年度にEPOK 科目兼一般教育科目に位置づけが変化し、
交換留学生の受講者比率が急速に高まった。同年度以降でみると、受講者全体の約4 分の3
を占めるまでになった。本稿では、1999 年度後期から2014 年度前期までの「日本事情」を
振り返り、授業実施形態の歴史的変遷に加えて、受講者574 人の在籍身分及び出身国・地域
について分析し、学習項目の変遷や成績評価の問題などに関して検証を試みる。