オーストリアの中等教育段階における物理カリキュラムの改訂の現状を,8年制普通教育
中等学校における物理の新旧学習指導要領などから,明らかにした。今回の改訂は,コアの
明確化と集中,学校・教員の自由裁量の拡大という方針に従ったといえる。また,8年制普
通教育中等学校内の学校形態別の違いは,物理の週授業時間数では変化していないが,目標・
内容・内容の取扱いでは違いを小さくしている。しかし,下級(前期中等教育)段階と上級
(後期中等教育)段階とに関しては,一貫性や関連性が図られておらず,物理教育の概念・
構造も,大きく変化していない。