オーストリアの前期中等教育段階における物理カリキュラムの改訂の現状を,ハウプトシューレにおける物理の新旧学習指導要領などから,明らかにした。かつてのいわば「化学を含む物理」から化学の分離による普通教育中等学校下級段階との違いの解消と第 2 (通算呼称 6)学年における週授業時間数 2から 1への減少とが大きな変化であった。学習目標,内杏,内容の取扱いの指示における変化からは,ハウプトシューレにおける物理カリキュラムの今回の改訂が,一方で,コアの明確化と集中,他方で,学校・教員の自由裁量の拡大という方針に従ったことが,窺い知れた。